「会社の現実を知るのが怖い」を克服するために

社長からお話を伺っていると、結構な確率で聞くセリフがあります。
「会社の実情を目の当たりにすると心が折れそうだから、あえて見ないようにしている!」

コンサルを開始する前には、会社の状況をいろいろとお伺いします。決算数値自体についてはもちろん、そこに至るまでの取り組みや戦略、その効果検証などについても聞くことが多いです。

例えば去年の年間売上ぐらいはパッと答えられる方が大半ですが、では先月の売上は? その前の月や去年と比べてどうですか? 営業利益は? そうなった原因は? と聞いてみると、多くの方が言葉に詰まる。そこまでは見ていない…やり方もわからないし、そもそもそんな時間がないし…

そして出てくるのが、「現実を突き付けられるのが怖い」という言葉。

社長なのに無責任な! と思われますか?
でも、誰しも生活の中で似たようなことは感じているんじゃないかと思います。

例えばダイエットしているのに食べ過ぎてしまって、体重計に乗るのが怖い(昨日の私です)。
ずっと調子が悪いのだけど、病気だと確定するのが怖くて病院に行けない。
このままではいけないと理性ではわかっているけど先延ばしにしてしまうこと、人間なら誰しもありますよね。

怖い理由と対処法

①手の施しようがないほど悪いとわかったら、絶望してしまう

なんだか最近体調がおかしいなと思った時、病院に行きますよね。
でもたまにこういう人いませんか。「検査をして重病だとわかったら困るから病院には行かない!」
いや行っとこうよとは思いますが、その気持ち自体はわからないでもないですよね。

同じことが、会社の経営でも起こっているのです。小さな会社の社長にとっては会社イコール自分。
会社に病気(経営の問題)が見つかったらと考えると、不安になるのも無理はありません。

でも、だからこそ一度勇気を出して、現状把握から始めていただければと思います。
もちろんなんらかの問題が発見されることも多いですが、それが普通です。そもそも健康診断の結果がオールAなんて人、なかなかいないのではないでしょうか。


そして経営の場合は、今の時点で会社が回っているならたいていの場合「もう手の施しようがない!」という事態にはなっていないです。

②現状がわかっても、どう改善すればいいかわからない


悪いところがわかっても、どうやって改善すればいいのか。

日々の仕事で忙しい中、どうしても新しい取り組みは敬遠しがちです。
特にすぐ売上や利益に結びつくわけでもない業務改善は、いつかやろうでは永遠に手を付けないまま時間が過ぎてしまいます。

また、ここを改善しろと従業員に指示するのは簡単ですが、任された方は大変です。普段の仕事もある中で、正解のわからない仕事を丸投げされても戸惑うしかありません。

そんなときこそ、ぜひ外部の手を借りることも検討してみてください。
ダイエットも、本当に成果を出そうと思えばコーチを付けますよね。病気だって、一人で治そうと頑張るよりお医者さんの力を借りた方が早く安全に治ります。経営も同じです。

③自分のメンタルが弱ると日々の業務に支障が出てしまう

これは個人事業主の方や、経営のほとんどを自分で回している社長にありがちな感覚です。
会社のほとんどすべてが自分にかかっていて、自分が倒れたりへこんだりしていたら仕事が回らなくなってしまうために、ネガティブな情報をあえて意識から外す癖があるようです。

この場合の対処法は、まずはご自分にそういう傾向があるということに気付くこと。
そしてキャパオーバーになっている部分は、少しずつでもいいので他の従業員に任せたり、アウトソーシングを利用したりして負荷を軽くすること。

②ともつながりますが、余裕がないと改善業務にも時間を割けません。
自分で動くことが大好きな社長も多いですが、それは「もし社長になにかあったら会社が終わる」というリスクと紙一重です。

最後に

ダイエットにしろ病気にしろ、日々食べるものに気を付けて運動もしているなら、現状を見るのもそこまで怖くないと思うんです。


怖いのは、「このところ食べ過ぎた」「ずっと妙な痛みがある」という自覚があるから。
経営だって、結局は人間のやることですから根本的には同じです。


であれば、対処法も同じだと思っています。

騙し騙し、なんとかやっていける会社もあります。それは、ある意味ものすごい経営センスを持っているということでもあります。


でもきっとこの記事をここまで読んでいる社長には、本当はしっかり現状を見つめなおしてさらに事業を着実に発展させていきたいというお気持ちがあることと思います。

誰かに話すだけでも、思考が整理されてクリアになります。
商工会や商工会議所には無料で利用できる経営相談窓口もありますし、まずは1人で抱え込まずに相談するところから始めてみませんか?